三井化学アグロ 防除剤に新規殺虫剤を混合で生産性向上

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2019年2月20日

 三井化学アグロはこのほど、自社開発の新規いもち病防除剤「トルプロカルブ」を有効成分とする水稲育苗箱用の殺虫殺菌剤に、重要害虫のウンカ類に卓効を示す新規殺虫剤「ピラキサルト」との混合剤をラインナップに加え、今年2月以降、販売を開始すると発表した。

 「トルプロカルブ」と「ピラキサルト」の混合剤は、新しい作用性の有効成分の組み合わせによって、他農薬に対する耐性菌や抵抗性害虫への対策が求められてきたイネの重要病害虫の防除の課題を解決して、食糧の生産性向上に貢献する。

 「トルプロカルブ」は、同社が開発している新規原体の一つで、最新の研究の結果、いもち病菌に対して2つの作用機構を持つことが明らかになっている。「ピラキサルト」(一般名:トリフルメゾピリム)は、全国農業協同組合連合会(農協)とデュポン・プロダクション・アグリサイエンスが開発した新規殺虫剤であり、イネの重要害虫であるウンカ類に高い効果と長期残効を示し、新規作用で他農薬に抵抗性を示すウンカ類にも効果を発揮する。両剤は、それぞれイネの重要病害虫のいもち病とウンカ類に高い効果と長期残効を示す成分であり、農業生産現場で高く期待されている。

 三井化学アグロは両剤の混合剤として、「サンスパイク 箱粒剤」と「サンエース 箱粒剤」を販売する。九州では紋枯病も重要病害であり、近年は難防除病害である稲こうじ病も増加しているが、これらに有効な「モンガリット 粒剤」の有効成分であるシメコナゾールを加えた混合剤が「サンエース 箱粒剤」。「トルプロカルブ」は、2016年の販売開始以来、昨年までに13製品に利用されている。地域ごとの需要に対応する製品を揃え、「サンスパイク 箱粒剤」、「サンエース 箱粒剤」など製品の一層の充実を進めていく。

 三井化学アグロは、これからも独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧の生産性向上に貢献していく考えだ。