三井化学 小笠原の森の再生支援で木材保護塗料を提供

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2019年2月25日

 三井化学はCSR活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。屋久島での取り組みに続く第2弾を小笠原として、昨年12月9日に東京都・小笠原村で開催された「オガグワの森」植樹会に協賛。グループ会社の三井化学産資とともに、伐採した外来種アカギを有効利用したベンチや看板を寄贈した。

 植樹の会場では、そのベンチや看板に三井化学産資が提供する木材保護塗料の塗装が施された。同塗料「ノンロット」は木の呼吸を妨げず、塗装後も心地よい木の香りを感じられるもの。安全性が高く、木材が本来もっている通気性(調湿性)を最大限生かしながらも、風雨をしのぐ超撥水性、耐UV性、防腐・防カビ・防虫性を発揮する。

 小笠原村では昨年から、返還50周年記念事業の一つとして固有種オガサワラグワ(=オガグワ)の再生を目指し、村民参加の森づくりプロジェクトを行っている。「オガグワは木材の価値が非常に高いため、初期の開拓時代に1000人の木こりが10年で切りつくしたと言われています。小笠原の原生林を構成する主要な樹種でしたが、アカギに取って代わりました」と語るのは、茨城県にある森林総合研究所林木育種センターの磯田圭哉研究室長。オガグワを失った森に外来種のアカギが生い茂り、今では小笠原諸島全体で100本程度しか残っていないという。同研究所で培養したオガグワのクローン苗を、小笠原の気候と土に慣らしながら育て、植樹し森に還す。

 小笠原村環境課の井上直美さんは、「オガグワは、昔から森のシンボルとして村の皆さんに愛着のあった木なので、それをシンボルとした森づくりを始めています」と森づくりの経緯を話した。村民が一丸となって、父島と母島に「オガグワの森」を再生していくという。

 親子での参加を積極的に呼び掛けた植樹会には、多くの子どもたちの姿があった。「関わってくれた子どもたちが大人になったときに、今回植えた苗が大きくなってきたというのを感じてもらいたい」(井上さん)。オガグワの再生は50年、100年先を見据えた森づくりになる。

 三井化学グループはこのたび、今回の活動を四分弱の動画にまとめて公開した(https://youtu.be/XcBZGy6DVbA)。その動画は「子どもと共に木も成長していく。子どもたちが孫を連れて来るころ、ようやくここにオガグワの森を見ることができるだろう」と結んでいた。