三井化学は28日、三井住友銀行が提供する「ESG/SDGs評価」に基づくシンジケート・ローンを通じて、計200億円の資金調達を実施したと発表した。同ローンは、三井住友銀行と日本総合研究所が作成した基準に沿い、顧客のESGやSDGsへの取り組みや、情報開示の状況を評価する金融商品。
シンジケート団は、三井化学のESG/SDGs評価結果に賛同した20の金融機関から成っている。今回、同社の取り組みは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の各項目について非常に高い水準であると判断された。
「環境」では、CO2排出削減に向けた具体的な取り組みの実施や、製品ライフサイクルの各段階で環境負荷削減に貢献する「Blue Value」製品の提供などが評価された。「社会」では、独自のQOL向上評価指標「Rose Value」策定と同製品の認定。「ガバナンス」では、事業活動を通じて社会課題を解決するため、経済軸・環境軸・社会軸から成る3軸経営を深化させ、長期的視点に立った経営を実践している点が評価された。また、サステナビリティに向けた企業経営では、優れた取り組みと情報開示の実施が評価を受けた。
三井化学は、ESG視点を経営や戦略に取り込み、持続可能な成長を図るため、昨年4月にESG推進室を新設した。今後も「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」の実現に向けて、事業活動を通じた社会課題解決に積極的に取り組むとともに、社会と同社グループの持続的発展を目指していく。