コベストロの2018年(1-12月期)業績は、厳しさが増す事業環境にありながらも好調だった。主要製品の販売量は前年比2%増、売上高は3%増の146億ユーロと増収だった。利益面では、下半期に販売価格と利益率が低下したにもかかわらずEBITDAは32億ユーロ(7%減)を達成。純利益は18億ユーロ(9%減)だった。
いずれも、4Q(10-12月期)の業績が低調に推移したことや、前年のビジネス環境が極めて良好だった影響を受け、前年を下回る結果となったが、利益水準は好調だった。同社はこの2018年の業績を踏まえ、約9%の増配を行う予定で、1株2.40ユーロの配当金(前年:2.20ユーロ)の支払いを検討している。
事業別に見ると、ポリウレタン事業の販売量は1%増となり、主要製品の安定した販売が貢献。EBITDAは、19%減の17億6000万ユーロだった。販売量増加と平均販売価格上昇は通年での利益向上に貢献したものの、特に10-12月期での競争環境の激化によるマイナス効果を相殺するには至らなかった。
ポリカーボネート事業の主要製品の販売量は3%増加し、EBITDAは22%増の10億4000万ユーロだった。全体的に良好な利益率と販売量増加、米国でのシート事業売却によって利益増となった。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業の主要製品の販売量は、3%増加した。一方、原材料価格の高騰と為替のマイナス効果が利益を押し下げ、EBITDAは5%減の4億6000万ユーロとなった。
なお、2019年(1-12月期)の業績については、通年での主要製品の販売量は、一桁台前半から半ばの対前年比増を見込んでいる。また、EBITDAについては、高まる競争圧力のため15億ユーロから20億ユーロと減益を予測。1Q(1-3月期)のEBITDAは約4億4000万ユーロとなる見込み。