ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、コーティング業界向けの製品ポートフォリオを拡充している。
水系システムの配合用原料では、ガラス繊維のサイジング、プラスチックコーティングから、繊維の表面仕上げや自動車塗装まで、幅広い用途向けの製品をラインアップした。
その中で注力製品として挙げられるのが、特殊水性ブロックドイソシアネート分散剤「トリクシーンアクア」シリーズと、水系ポリウレタン分散剤「ウィトコボンド」ブランドだ。
「トリクシーンアクア」シリーズは、水系コーティングシステム用の架橋剤・接着促進剤。コーティングとサイジング製剤の化学的・機械的耐性を高め、最終製品に優れた性能と耐久性を付与する。
ブロックドイソシアネート基のため、他の遊離製品に比べ安定しており、ヒドロキシル官能性アクリルやポリエステル、ウレタンなどの多様な相補的水性樹脂を、1K・2Kシステムに配合することができる。
繊維加工でも効果を発揮し、「トリクシーンアクアBI220」を、スポーツ・ファッション衣類の撥水仕上げ剤用の接着促進剤として使用することで、優れた耐久性を実現する。
また、「トリクシーンアクアBI201」は、自動車用クリアコート向けの架橋剤として使用でき、耐チッピング性と外観の向上をもたらす。
一方、「ウィトコボンド」は水系コーティングや、硬質あるいは柔軟な基板の仕上げなど、 さまざまな用途に使用することができる。
製品群には最大60%の固形分を含む高固形分製品、低・無共溶媒分散液、アルキルフェノールエトキシレートやノニルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤を含まないグレードなどがある。
中でも高固形グレードは、ガラス繊維のサイジングで、複合素材加工での繊維とフィラメントの優れた結合と、最終製品に卓越した物理的特性を提供する。
例えば、ポリエステルベースの「ウィトコボンド374‐13」は、チョップドストランド製造のための完全性と、多くの熱可塑性・熱硬化性母材への良好な接着性をもたらす。
さらに、「トリクシーンアクア」シリーズの新製品「トリクシーンアクアBI202」と組み合わせることで、高度な複合素材に使用されるガラスストランドと、種々の樹脂母材との接着を強化する。
同社では「ランクセスの水系システムにより、塗料業界の顧客は、例えば揮発性有機化合物(VOC)の厳格化する規制に対応できるだけでなく、最新の用途ニーズを満たす高性能製品を開発することができる」としている。