昭和電工は25日、連結子会社である昭和アルミニウム缶が、ベトナムでの事業拡大を図るため、ベトナム南部のバリア・ブンタウ省に、同国で3番目となる生産拠点を新設するとともに、同国北部にある既存工場内の缶蓋ラインの生産能力増強を行うことを決定したと発表した。
昭和アルミニウム缶のベトナム現地法人であるハナキャン・ジョイント・ストック・カンパニー(ハナキャン社)は、同国北部にあるバクニン工場に製缶ラインおよび製蓋ライン、中部にあるクアンナム工場に製缶ラインを有している。
今回、新たに同国南部に年産13億缶の生産能力を持つ製缶工場を建設するとともに、バクニン工場内の缶蓋製造ラインを同11億枚増強する。これによりハナキャン社は、ベトナム全土をカバーする3つの拠点合計で缶体は同31億缶、缶蓋は同33億枚の生産能力を有することになる。なお、投資額は新工場の建設と缶蓋ラインの増設を併せて約70億円を見込み、2020年7月から生産を開始する予定。
昭和電工グループは、本年より開始した中期経営計画「The TOP 2021」の中で、アルミニウム缶事業を「変わる」に位置づけており、海外拠点の拡充・強化と国内収益性の向上を事業戦略としている。
ベトナムでのアルミニウム缶事業は、同国北中部を中心に販売を順調に拡大しており、今後も市場拡大が予想されるベトナム市場では、市場の伸びに対応した事業規模拡大を継続し、個性派事業となることを目指す。一方、国内市場については、生産能力の適正化や固定費削減、販売価格の地金連動のフォーミュラ化を進め、収益性の向上を図っていく考えだ。