昭和電工はこのほど、SAP SE社製の統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP S/4HANA」を導入し、来年1月から運用を開始することを決定したと発表した。
同社は2000年に「SAP R/3」を導入し、経営改革を推進してきた。後継となる「SAP S/4HANA」へ刷新し、黒鉛電極・HD事業など、グローバル化が進む同社グループのグローバル経営の情報プラットフォームを構築する。加えて、経営戦略である「CUSTOMER Experienceの最大化」のため、マーケティング機能を強化する。
今回の情報インフラ投資額は約40億円。ERPには生産・物流・販売・会計・調達など、さまざまな一次情報が蓄積される。国内だけでなく、アジア・欧州・米国など、グローバルに展開する各拠点の情報を一元管理することを目指し、同システムの導入を決定した。
高度な販売予測や損益シミュレーションに活用することで、正確・迅速な経営判断につなげる。さらに、全社横断型のCRM機能を導入し、新たな事業機会の創出につなげていく。CRMとは、顧客の購買行動履歴などのデータを基に、より満足度の高い製品・サービスを提供するためのマネジメント手法のこと。
同社は今年から開始した中期経営計画「The TOP 2021」で、「CUSTOMER Experienceの最大化」を経営戦略とし、それを支える事業基盤強化の1つとして「AI/IoT活用」を掲げている。
今後、同システムに蓄積された情報をAIなどの活用により分析し、グループ経営の一層の効率化、製品とサービスが融合した優れたソリューションの提供を目指す。