昭和電工は14日、新しい化粧品材料として糖誘導体「Moistol(モイストール)」を開発し、販売を開始すると発表した。
同製品は、保湿効果が知られるイノシトールにオリゴ糖を付加したイノシトールオリゴ糖で、保湿効果を増強し機能性を高めたもの。十分な水溶性をもち、化粧水や美容液をはじめクリームやゲルにも配合できる。また、皮膚の細胞間脂質であるセラミドの産生を促進する働きがあり、角層のバリア機能を高め、水分ロス量を抑制する効果がある。
「モイストール」を1%含む化粧水を8週間塗布する臨床試験を実施したところ、被験者の頬部の角層水分量の増加と水分ロスの抑制、肌荒れの改善が確認された。これらの保湿効果に加え、表皮細胞を用いた試験では、紫外線による炎症を抑制する効果や、PM2.5をはじめとする大気汚染により起こるダメージから保護する効果があることも分かり、イノシトールにはないアンチポリューション効果が期待されている。
なお「モイストール」は、今月15~17日にパシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい)で開催される「化粧品産業技術展」(ブース番号:C7‐4)に出展を予定。
同社は、中期経営計画「The TOP 2021」の中で、化粧品原料事業を含む機能性化学品事業を〝変わる〟事業ポートフォリオに位置づけ、積極的な事業拡大を図っている。今後も高機能化粧品原料を拡充し、ユーザーの期待に応えていく考えだ。