ポリフェニレンエーテル(PPE)は、1965年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)が発明した。
難燃性や耐熱性、絶縁性、耐衝撃性、軽量性など、機械的・電気的にバランスの取れた性質を持っているが、成形性に劣るため、そのままでは実用にはならなかった。
このため、同社はポリスチレン(PS)やポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)など他の樹脂とのポリマーアロイ化(変性PPE)することで、汎用エンジニアリングとしての用途を確立した。
当初は家電やOA機器などの筐体を中心に使われていたが、参入企業が増える一方、ABS樹脂やPPなどの難燃性が向上し、変性PPEの代替として使われるようになったことから供給が過剰となり、工場の閉鎖や生産停止が行われた。
その後、特に中国で環境対策のため、国策により電気自動車(EV)と太陽光発電(PV)の導入が進められたことで、変性PPEの採用が進み、この5年ほどは