住友化学は23日、100%子会社の住友化学アメリカ社(SCAI)が、カルティビアン・サンドボックス・フード・アンド・アグリカルチャー・ファンドⅢにLP出資したと発表した。
同投資ファンドは、米国シカゴに拠点を置くカルティビアン・サンドボックス・ベンチャー・パートナーズⅢ社(CS)が運営する。LP出資とは、ベンチャーキャピタルなどに、 LP(有限責任組合員)として出資すること。
CSは2008年に設立されたベンチャーキャピタル。次世代の食糧と農業技術を持つ企業への投資を行ってきた同分野のパイオニアの1つ。有望なベンチャー企業への投資実績があるチームで構成されている。
ファンドⅢでは、持続可能な食糧システムの構築を目指すスタートアップに、1億3500万米ドルの投資を行う予定。すでに食料ロス削減を目指す企業や栄養・食品用途向けに、動物由来ではないコラーゲンの製造開発を行う企業などに出資をしている。
住友化学は今年度からスタートした中期経営計画で、「ヘルスケア」「食糧」など4つの重点分野で、スタートアップやアカデミアとの連携を通じた次世代事業の創出加速を基本方針の1つに掲げている。
今回のSCAIが行うファンドⅢへの LP出資により、CSが保有するネットワークを活用することで、有望スタートアップの最新情報の入手や、初期段階での関係構築を図る。
SCAIは住友化学グループとしてグローバルに事業機会探索を推進するため、4月にコーポレート・ベンチャー・イノベーション・オフィスを、ニューヨークからボストンに隣接するケンブリッジに移転した。同地区は世界最大級のイノベーションハブであり、有望なスタートアップとの価値のある協業を積極的に発掘・提案していく。