昭和電工は3日、半導体などの電子材料用に使用される高純度ガス4製品について7月1日以降納入分から値上げすると発表した。
対象商品は、高純度HFC‐23(CHF3)、高純度FC‐218(C3F8)、高純度六弗化硫黄(SF6)、高純度塩化水素(HCl)で、値上げ幅は現行価格の15%以上となっている。
電子材料用高純度ガスは、半導体・ディスプレイ・窒化ガリウム系LED、多結晶シリコン系太陽電池などの製造において、その工程で使われる製造設備内に付着する不要な化学物質を取り除くためのガス(クリーニングガス)や、基板の上を覆う薄い膜に微細な溝や孔を刻みつけて電子回路などを作るためのガス(エッチングガス)として使われる。
高純度ガスを取り巻く事業環境は、需要は引き続きおう盛である一方、原燃料価格の高騰に加え、安全・安定供給に不可欠な物流面でも、人件費の上昇などによりコストが増加。
同社はこれまでも生産効率の向上や物流の合理化などによりコストダウンに努めてきたが、今回の4製品は採算を確保できない状況にあり、今後も製品の安定供給体制を継続するためには、コスト上昇分の一部を価格転嫁せざるを得ないと判断した。