三井化学は14~16日に、軽井沢駅前プリンスショッピングプラザ駐車場で開催される、G20軽井沢関係閣僚会合の展示会で、バイオポリプロピレン(バイオPP)に関するパネル展示をする。
同会合は大阪市で開催されるG20サミットに合わせ、日本が議長国として開催される関係閣僚会議の1つ。サイドイベント「地球へ社会へ未来へ G20イノベーション展」では、水素エネルギー、海洋プラスチックごみ対策、イノベーションなどをテーマに、日本最先端のエネルギー・環境関連技術の展示を行う。
PPは自動車部材をはじめ、医療から家電、住宅、食品分野まで、幅広い用途に使用されており、人々の生活に欠かせない素材の1つである。日本で生産されるプラスチックの2割強を占める主要な素材だが、バイオマス原料化の難易度が高く、今のところ工業化レベルの技術確立には至っていない。
従来のプラスチックは、数億年の長い年月をかけて地中に蓄えられた化石資源が原料なのに対し、バイオマスプラスチックは植物が主な原料。植物は大気中のCO2を吸収して生育するので、CO2削減に効果的で、地球温暖化を緩和する。
植物を原料とするバイオPPは、持続可能な社会への貢献が期待される製品で、同社グループが目指すバイオPPの事業化は、非可食植物を主体とするバイオマス原料から、発酵によりイソプロパノール(IPA)を製造し、それを脱水しプロピレンを得て、さらに重合してPPを製造する世界初のIPA法である。
この製法は、これまでに検討されている他社のバイオマス製法に比べ、より安価なバイオPPの製造が可能になる。また、パートナー企業との取り組みを通じて、バイオマス原料の供給を受ける一方、バイオマス原料製造で生じた廃棄物の回収と有効活用により、同社製造設備への電力供給を目的としたバイオマス発電や肥料の製造も行う。
同社はパートナー企業とともに、サプライチェーンを通じた資源循環型モデルの構築と、環境対応による社会貢献を目指す。