マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIはこのほど、半導体産業の前工程ファブ装置への投資額が、今年は前年比19%減の484億ドルになった後、来年は20%増の584億ドルへ反発するとの予測を発表した。同予測は、SEMIが発行した今年第2四半期版の最新のレポートに基づいている。
来年の投資増は、今年第1四半期版のレポートに基づく27%増が下方修正されたもので、今年の投資額19%減は、同様に14%減が下方修正された。来年はおう盛な成長を示すが、前工程ファブ装置への投資額は、昨年の過去最高記録に20億ドル届かない見込み。
メモリー分野の投資額は、今年は45%減少するが、来年は45%増と力強い回復をして280億ドルに達する見通し。来年のメモリー分野の投資は前年から80億ドル以上増額し、ファブ全体の投資額回復をけん引する。しかし、一昨年、昨年の投資水準と比べると、来年のメモリー投資額は、低水準となることが現時点では予測される。
今年のメモリーの投資額減少と対照的な動きをする分野が2つある。1つはファウンドリ―分野で29%の増加、もう1つはマイクロで、10nmのMPU生産に向けて40%以上の増加が見込まれている。マイクロの投資額全体は、ファウンドリ―やメモリーの投資と比べ、小さくなっていることに注意が必要だ。
最新レポートは、昨年から来年にかけて440以上のファブやラインで投資が行われることを示している。半年ごとのデータでは、メモリーの投資が今年前半に48%減少することが見込まれるが、その内訳は、3D NANDが60%減、DRAMが40%減となる。
このような単一分野の圧倒的な減少があるものの、今年前半の投資額全体は、大手ファウンドリ―各社による40%もの投資増で、ある程度相殺されると見られる。マイクロ分野の投資は、MPUをキードライバーに今年前半に16%、後半は9%の成長が予想されている。