BASFはこのほど、新しいポリフタルアミド(PPA)「ウルトラミッド・アドバンストT2000」を発表した。
新製品は幅広い温度範囲で優れた機械的特性と誘電特性を発揮するため、構造用ノートパソコン部品を介した精密な難燃性コネクタから、スイッチや超小型回路遮断器まで、E&E産業や自動車産業における新用途に適した素材となっている。
射出成形時の流動性が高いことから薄肉設計が可能で、表面品質も良好。部品の形状保持力を向上させる。漏電による過熱時でも構造物が容易に溶融せず、外部からの機械的衝撃にも耐性をもつ。
さらに、ガラス繊維強化グレードはガラス転移点より高い温度でも、高い強度と容易な加工性を提供する。このため、金属で作られているアクチュエータ、トランスミッションセンサー、クラッチ部品などの水出口弁、水ポンプ、燃料システム部品といった自動車部品の代替品となる。
絶乾状態・調湿状態の両方で、適用温度の全範囲にわたって優れた強度・剛性・抵抗率が要求される用途に適している。洗浄剤や塩化カルシウム、クーラント、燃料、オイル、潤滑油のような一般的な自動車関連用品に対して良好な耐性を示す。
標準PA66と同等の衝撃強度と、標準脂肪族ポリアミドより低い吸水性を示し、高い寸法安定性をもたらす。融点(310℃)が高く、熱変形温度が280℃(HDT‐A)を超えるため、部品が変形することなく、鉛フリーはんだ付けに適している。
また、効率的に加工でき、流動性は柔軟性や靭性を損なうことなく、他の高温ポリアミドよりも著しく優れる。他のグレードやポリアミド、一般的なPPAとの溶接やレーザーマーキングなど、いくつかの後加工も可能だ。
同社PPAチームの責任者は「特に最先端の難燃性能により、最新のE&Eデバイスの実現を可能にした」と述べている。