出光興産の4-6月期 石油製品マージン縮小し減益に

2019年8月20日

 出光興産が14日に発表した2020年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比47%増の1兆4763億円、営業利益は同53%減の340億円、経常利益は同58%減の346億円、純利益は同35%減の360億円となった。

 売上高は4月1日に実施した昭和シェル石油との株式交換による経営統合などにより大幅な増収。営業利益は燃料油セグメントの石油製品マージンの縮小や在庫評価影響の減益などにより減益。持分法投資利益の減少などにより経常利益も減益となった。昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較では、売上高が同11%減、営業利益は同70%減となる。

 報告セグメントについては、経営統合に伴い従来の「石油製品」「石油化学製品」「資源」の三つのセグメントから、「燃料油」「基礎化学品」「高機能材」「電力・再生可能エネルギー」「資源」の五つのセグメントに再編した。

 燃料油セグメントの売上高は同62%増の1兆1695億円、セグメント利益は製品マージンの縮小や在庫評価影響などの減益要因により、同86%減の52億円。基礎化学品セグメントの売上高は、通関ナフサ価格が下落したことなどにより、同7%減の1135億円、セグメント利益は、スチレンモノマーなど製品マージンの縮小などにより、同51%減の59億円。

 高機能材セグメントの売上高は、同15%増の971億円、セグメント利益は、持分法投資利益の減少などにより同20%減の64億円。電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は、同502%増の293億円、セグメント利益は同177%増の8億円。

 資源セグメントの売上高は、同3%減の664億円、セグメント利益は同19%減の162億円。石油開発事業は原油価格が下落したことなどにより減収減益。石炭事業・その他事業は増収だったが、昨年度のタラウォンガ売却に伴う販売数量減少などの影響で減益となった。

 通期の業績予想に変更はなく、売上高を前期比53%増の6兆7900億円、営業利益は同23%増の2200億円、経常利益は同35%増の2285億円、純利益は同96%増の1600億円を見込んでいる。