ランクセスはクロム化学品事業を中国の皮革用化学品メーカーの兄弟科技に売却すると発表した。8月12日付で売却に関する合意書に調印した。事業譲渡は関係各国の独占禁止法規制当局の承認を経て、今年末までに完了する予定。
クロム化学品事業は、ランクセスの皮革用化学品(LEA)ビジネスユニットに属し、年間売上高は約1億ユーロを達成している。
南アフリカにある2拠点で製品を製造しており、2拠点のうちニューキャッスル拠点では、重クロム酸ナトリウムを製造し、その一部を同拠点でクロム酸に加工している。もう一方のメレバンク拠点では、世界中の皮革産業向けに、重クロム酸ナトリウムから皮革用クロム鞣(なめ)し剤を製造している。
ニューキャッスル拠点の約220人の従業員は、事業譲渡の一環として兄弟科技に移籍する。また、メレバンク拠点では兄弟科技との契約に基づき、ランクセスが2024年まで引き続き皮革用クロム鞣し剤を製造する予定だ。
ランクセスのマティアス・ツァハトCEOは「クロム化学品事業の再構築を着実に実施してきた結果、同事業は特殊化学品に注力するランクセスの戦略に適合しないものになった」と売却の理由を述べている。