大日本住友製薬はこのほど、非定型抗精神病薬「ロナセンテープ 20mg、30mg、40mg」(一般名:ブロナンセリン)について、国内において9月10日付で発売すると発表した。
同剤は世界で初めて統合失調症を適応症として承認された経皮吸収型製剤。ブロナンセリンは、同社が創製した化合物。ドパミンD2、D3受容体とセロトニン5‐HT2A受容体にアンタゴニストとして作用し、臨床試験では、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化や意欲低下など)に対する改善作用が示された。
同社は、ブロナンセリンを有効成分とする経口剤として、「ロナセン錠/散」を2008年から国内で販売。ブロナンセリンの血中濃度推移のさらなる安定化を図るため、経皮吸収型テープ製剤の設計技術をもつ日東電工と2010年から同剤の共同開発を進め、今年6月18日に製造販売承認を取得した。
同社は、同剤の発売により、統合失調症患者に「貼付する」という新たな治療選択肢を提供し、SDM(患者と医療者などが共同で治療方針の意思決定を行うこと)の推進と服薬アドヒアランスの向上に寄与し、社会機能の回復を目指す統合失調症の治療に貢献していく考えだ。