昨年は、国内では平成が終わり、令和という新しい時代が始まるという節目の年だった。世界の政治・経済情勢は、自国中心主義の風潮がますます強まる中、米中貿易摩擦などの貿易障壁の高まりや英国のEU離脱問題の混迷、地政学リスクなど、不安定な政治的状況が実態経済に大きな影を差すようになり、中国など主要各国で成長の同時減速という事態が広がった。
不透明な政治情勢を背景とした景気の落ち込みは、今年も当面続くと思われる。とはいえ、その中で新たな時代の胎動は着実に進んでいる。今年の始まりにあたり、皆さんに次の2点をお願いする。
1つ目は、1人ひとりが心身ともに健康であること。職場の安全については、環境事故撲滅や設備保全の改善のための取り組みも含め、活動の有効性を検証し、必要に応じた見直しを行いながら、安全文化を定着させていこう。
昨年のラグビーワールドカップ以来、「ONE TEAM」という言葉が盛んに言われ、流行語大賞にもなったが、まさにチームとして変化に立ち向かい、力を発揮するための大前提は1人ひとりの安全と健康だ。今年も、個人の生活と職場の両方で、安全と健康に努めてほしい。
2つ目は、自分の仕事のやり方が今の時代に合ったものか、あるいは今後の時代の流れを見据えた時に、その進むべき方向性に合ったものか、改めて見直し、積極的に変えてほしい。
先行きが不透明な時代であるからこそ、少しでも先を見る努力をし、将来に備えつつ自分の今の仕事を軌道修正していくことを、1人ひとりが心掛け、「変えながらやり抜く」ことが肝要だ。常に「最新の未来」を探り、それを踏まえてやり方は調整しながら、しつこくやり抜く努力をしよう。