《化学企業トップ年頭所感》日本触媒 五嶋祐治朗社長

, ,

2020年1月10日

 昨年を振り返ってみると、甚大な自然災害に見舞われ、また世界経済も減速基調となり、当社の業績にも少なからず影響が出た。このような予測困難な環境下で、リスクを最小限に抑えるための「備え」が、いかに大切かを痛感した年であったように思う。

 このような状況の下、当社は昨年11月に、三洋化成工業と経営統合の最終合意を交わした。この経営統合の大きな目的は、将来への「備え」そのものだ。今後、さらに激化するであろう、世界的な市場競争の中で、生き残り、勝ち残るための「守りの備え」と、さらなる成長、飛躍を目指した「攻めの備え」の両面の「備え」を持つことにある。

 新会社の社名は、800件を超える社内募集の中から、「Synfomix(シンフォミクス)」とした。シンフォミクス発足にあたり、次の3つを伝える。1つ目は「持続可能な社会の創造に貢献しよう」ということ。

 シンフォミクス・グループは、様々な可能性を掛け合わせ、未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため、持続可能な社会の創造へ貢献することを目指す。「シンフォミクス」の名前が世界中で鳴り響くよう、新会社グループ一体となって持続可能な社会の創造に貢献しよう。

 2つ目は「両社の強みを融合しよう」ということ。日本触媒の競争力ある素材のバリューチェーンと、三洋化成の顧客の課題に応えるソリューションビジネスを融合することで、強みのある事業を複数保有する、グローバルに存在感のある化学メーカーを目指す。今まで1社ではできなかったことも、シンフォミクス・グループなら必ず達成することができると確信している。

 3つ目は「違いを認め合い、違っていることを生かそう」ということ。お互いに相手を理解しようと努め、様々な意見や考え方があるということを認め合おう。そして、違った考え方を掛け合わせることで、新たな考え方や仕事のやり方を生み出していこう。

 新たな挑戦に期待を抱き、気概をもって取り組めるよう、まずは心構えから、「備えよ、For the new company」。今年も安全・安定操業をしっかりと継続し、皆さんとともに健康で幸多い年となることをお祈りする。