トクヤマは31日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1%減の2365億円、営業利益3%減の248億円、経常利益0.4%増の238億円、純利益8%減の180億円だった。多結晶シリコンやセメントなど、主力製品の販売が軟調で減収減益となった。
セグメント別に見ると、化成品セグメントは売上高4%減の712億円、営業利益7%減の118億円。カセイソーダは、販売数量は堅調に推移したが、原料価格の上昇や海外市況下落により減益となった。塩ビ樹脂はスプレッドを維持し増益となった。酸化プロピレンはウレタン向けの販売数量が減少し減益。塩化カルシウムは少雪影響で販売数量が減少し、また物流費の増加により減益となった。
特殊品セグメントは売上高9%減の385億円、営業利益35%減の45億円。半導体向け多結晶シリコンと放熱材は、半導体市場に回復の兆しがあるものの、顧客の在庫調整により販売量が減少し減益。電子工業用高純度薬品は、海外向けを中心に販売数量が回復し前期並みとなった。
セメントセグメントは売上高4%減の664億円、営業利益18%増の26億円。セメントは石炭価格下落により製造コストは低減したものの販売数量が軟調に推移し、また修繕費など固定費が増加し減益となった。一方、資源リサイクルは廃棄物受入数量が増加し増益だった。
ライフアメニティーセグメントは売上高6%増の423億円、営業利益3%減の23億円。メガネレンズ用フォトクロミック材料は販売数量増、臨床検査機器システム案件では受注増によりそれぞれ増益となった。歯科材料は海外を中心に販売数量が伸びたが、新製品上市に伴う広告宣言費などが増加し減益となった。イオン交換膜は大型案件が減少し減益だった。
通期業績予想については「半導体を中心とする国内需要や原燃料価格の先行きに不透明感があるものの、通期計画達成に向け注力していく」(同社)とし、前回予想を据え置いている。