大日本住友製薬は英国のExscientia(エクセンシア)との共同研究を通じ、人工知能(AI)を活用して創製した「DSP‐1181」のフェーズ1試験を日本で開始した。今後、大日本住友製薬は強迫性障害を予定適応症として同剤の開発を進める予定。
同剤は大日本住友製薬のモノアミンGPCR創薬での創薬経験・知識と、エクセンシア独自のAI創薬プラットフォームの融合による共同研究を通じて見出だされた。その高い相乗効果により、業界平均4年半を要するとされる探索研究を、12カ月未満で完了した。
同剤は長時間にわたりセロトニン5‐HT1A受容体に作用する強力なアゴニスト。大日本住友製薬は研究重点3領域の1つである精神神経領域で、アンメット・メディカル・ニーズに応える開発パイプラインを拡充することができた。
大日本住友製薬の木村徹取締役常務執行役員シニアリサーチディレクターは「この研究で、非常に短期間に新薬候補化合物を生み出した成果にとても満足している。エクセンシアの優れたAI技術と、当社のモノアミンGPCR創薬に関する深い経験値が、相乗的に働いた大きな成果と言える」と話している。