積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーが、環境負荷低減に向けた施策として、4つの住宅生産工場に自家消費型の太陽光発電設備を導入すると発表した。
国内8カ所の住宅生産工場のうち、東北セキスイハイム工業(宮城県)、中四国セキスイハイム工業(岡山県)、九州セキスハイム工業(佐賀県)の3カ所は、今月3日までに稼働を開始。来年2月にはさらにセキスイハイム工業関東事業所(茨城県)への導入も予定している。
住宅カンパニーでは、環境問題と社会課題の解決や盤石な経営基盤の構築を事業の成長力として位置づけ、ESG経営を推進。このような考え方のもと自家消費型太陽光発電設備を導入することで、再生可能エネルギーの自己創出を進め、温室効果ガス排出量の削減と持続可能な社会の構築への貢献を目指す。
住宅カンパニーではすでに、住宅生産工場で太陽光発電設備を導入しているが、大規模な太陽光発電設備の発電電力はすべて売電にあてており、自家消費を目的とした大規模な太陽光発電設備の導入は今回が初となる。この導入により、四工場合計の年間使用電力量の約37%に当たる約3100Mwhを賄え、約1720t-CO2の温室効果ガス排出量と、約4300万円の電気料金が削減できる見込み。
また、今回導入する太陽光発電設備には、消費電力に合わせてパワーコンディショナーの出力を制御する出力制御システムを搭載。同システムにより、逆潮流を防ぎつつ発電と消費の効率的なバランスを維持することができる。さらに、4工場すべてで太陽光発電設備の自立運転が可能なため、災害時には、非常用電源として利用できるだけではなく、近隣住民が携帯電話の充電などで利用することも可能だ。
同社は、住宅生産工場への自家消費型太陽光発電設備の導入を通じて、再生可能エネルギーのさらなる普及をリードし、SDGsで提唱されている「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「気象変動に具体的な対策を」「パートナーシップで目標を達成しよう」などの目標に取り組み、課題解決への貢献を目指す方針だ。