日本触媒が4日に発表した2019年度第3四半期連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比12%減の2271億円、営業利益は同49%減の106億円、税引前利益は同46%減の138億円、親会社四半期利益は同51%減の94億円となった。
売上収益は原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、景気減速による需要低迷などを受けて販売数量が減少したことで減収。利益面については、加工費が増加したことや販売数量が減少したことに加え、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことなどにより営業減益。税引前利益は営業利益や持分法による投資利益の減少などで減益となった。
セグメント別では、基礎化学品事業は売上収益が同14%減の920億円、営業利益は同53%減の44億円。販売価格の低下や販売数量減などにより、アクリル酸及びアクリル酸エステルや酸化エチレン、エチレングリコールなど、いずれも減収だった。営業利益は加工費が増加したことや一部の製品で生産・販売数量が減少したことに加え、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことなどが響いた。
機能性化学品事業は売上収益が同13%減の1269億円、営業利益は同54%減の48億円。水溶性ポリマー、樹脂改質剤及び塗料用樹脂は販売数量増で増収となったが、それ以外の高吸水性樹脂、特殊エステルなどは減収。営業利益は基礎化学品事業と同様の要因により減益となった。
環境・触媒事業は売上収益が同12%増の82億円、営業利益は販売数量が増加したことなどにより、同35%増の7億円。プロセス触媒は減収だったが、脱硝触媒、排ガス処理触媒、燃料電池材料及びリチウム電池材料は販売数量増などで増収となった。
通期の業績予想については、第1四半期発表時点で下方修正した予想をさらに修正した。売上収益は前年比10%減の3050億円(前回予想比200億円減)、営業利益は同58%減の110億円(同65億円減)、税引前利益は同55%減の145億円(同)、親会社当期利益は同60%減の95億円(同)。需要の落ち込みが継続していること、製品海外市況の低迷や原料価格上昇によるスプレッドの縮小などが見込まれるため。