AGCは18日、2020年度第1四半期(1-3月期)の連結業績(IRFS)を発表した。売上高は前年同期比1%減の3575億円、営業利益は7%増の223億円、親会社所有者帰属四半期純利益は13%減の135億円。自動車用および建築用ガラス事業では新型コロナ感染の影響により業況が悪化したものの、電子部材や液晶用ガラス基板、ライフサイエンス事業の好調が上回り増益となった。なお新型コロナ影響は、売上高で100億円、営業利益で30~40億円の下押し要因となっている。
セグメント別に見ると、ガラスセグメントは売上高168億円減の1693億円、営業損失26億円(61億円減)。建築用ガラスは欧州を中心に市況が悪化し、稼働調整により製造原価が悪化した。自動車用ガラスは、中国をはじめ各地域で自動車生産台数が減少し、出荷が減少した。また、北米では減損損失を計上している。
電子セグメントは売上高98億円増の692億円、営業利益64億円増の89億円。ディスプレイは、液晶用ガラス基板の出荷数量が増加し、価格の下落幅も縮小した。第11世代向け液晶用ガラス基板新設備のフル稼働が寄与した。電子部材は、オプトエレクトロニクス用部材やEUV露光用フォトマスクブランクスなどの半導体関連部材の出荷が増加。プリント基板材料事業などの新規連結が寄与した。
化学品セグメントは売上高14億円増の1142億円、営業利益7億円増の151億円。クロールアルカリ・ウレタンは、東南アジアでのカセイソーダの販売価格が下落した。フッ素・スペシャリティは、半導体・航空機関連製品向けフッ素樹脂の出荷が減少。ライフサイエンスは、バイオ医薬品原楽の受託件数が増加し、合成医薬関連製品の出荷が増加した。
なお同日、業績予想を修正。上期(1-6月期)を売上高6500億円(前回発表比1000億円減)、営業利益250億円(同250億円減)に下方修正し、通期は予想を取り下げ未定とした。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、第2四半期(4-6月期)は当初想定から大幅な減収減益となる見込み。また、通期業績については、終息時期の見通しは立っておらず、予想の合理的な算定が困難であるとした。