帝人 汚水処理技術、B‐DASHプロジェクトに採択

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2020年7月3日

 帝人はこのほど、国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業「B‐DASHプロジェクト」に、帝人フロンティアを含む6者の共同研究体が提案した「災害時に応急復旧対応可能な汚水処理技術の実用化に関する実証事業」が、令和2年度実施事業として採択されたと発表した。

 近年、豪雨や地震などの自然災害で下水処理場が被災し、その機能を失う状況が多発。未処理の下水が流出した場合は、周辺住民の衛生・安全・財産にかかわる重大な事態につながる恐れがある。そのため、迅速な施工・設置により水処理の復旧が可能な技術開発が求められている。こうした中、6者(帝人フロンティア、エステム、積水アクアシステム、日新技術コンサルタント、豊橋技術科学大学、愛知県田原市)が共同で、実証事業を提案し採択された。

 実証技術の概要は、パネルタンクに特殊繊維担体を設置したユニット型水処理システム(生物反応槽)を、田原浄化センターの最初沈殿池横に設置し、水路から汚水を取水して、流入水をこのユニット型水処理システムへ送水。凝集沈殿処理、固形塩素剤による滅菌処理を行い、放流可能レベルにまで処理する。

 今回の実証技術は、災害発生時に運搬、現地での組み立て、運転の立ち上げ、維持管理、撤去が容易に実施可能で、迅速な応急復旧に優れたユニット型水処理システムを用いるもので、①調達が容易で可搬性に優れたパネルタンクを用いることで迅速な施工が可能、②運搬・組み立てが容易で下水処理の運転の立ち上げが早く解体撤去も容易、③省スペース、変形スペースで設置が可能、④ユニットの組み合わせにより流入水量、流入水質に対して柔軟な対応が可能、⑤高耐久かつ高負荷運転が可能で、運転管理が容易な特殊繊維担体を使用、⑥運転管理にはクラウド装置を使用し、安心・安全な遠隔管理を実施する、といった特長がある。