日本触媒の4-6月期 需要減・販売価格低下で減収減益

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2020年8月5日

 日本触媒は4日、2021年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比18%減の629億円、営業利益60%減の15億円、親会社所有者帰属の四半期利益52%減の16億円となった。新型コロナウイルス感染症や米中貿易摩擦の影響による世界景気の減速などを受け、原料価格や製品海外市況の下落で販売価格が低下したことや、販売数量が減少したことにより減収減益となった。

 セグメント別に見ると、基礎化学品事業は、売上収益23%減の250億円、営業利益89%減の2億円。アクリル酸およびアクリル酸エステル、エチレングリコールは、需要低迷により販売数量が減少し、製品海外市況の下落に伴い販売価格が低下した。酸化エチレンは、エチレンなどの原料価格下落により販売価格が低下し、販売数量も減少した。セカンダリーアルコールエトキシレートは、拡販に努め販売数量を増加させたものの、原料価格下落に伴う販売価格の低下が響いた。

 機能性化学品事業は、売上収益15%減の355億円、営業利益10%減の10億円。高吸水性樹脂は、販売増もプロピレンなどの原料価格や製品海外市況の下落を受け、販売価格が減少した。特殊エステルと無水マレイン酸は、需要低迷により販売数量が減少したほか、販売価格低下の影響を受けた。洗剤原料などの水溶性ポリマーは、拡販による販売増で増収。コンクリート混和剤用ポリマー、電子情報材料、ヨウ素化合物などは販売数量が減少した。

 環境・触媒事業は、売上収益5%減の24億円、営業利益117%増の2億円。プロセス触媒と脱硝触媒は販売数量が減少した。燃料電池材料、リチウム電池材料、湿式酸化触媒および排ガス処理触媒は、拡販により販売数量を伸ばし増収となった。

 なお同日に、コロナ禍による影響を合理的に算出することが困難とし未定としていた通期業績予想を発表した。売上収益は前年度比11%減の2700億円、営業利益は47%減の70億円、親会社所有者帰属の当期利益は46%減の60億円を見込んでいる。