東洋紡は6日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比7%減の755億円、営業利益17%減の44億円、経常利益36%減の28億円、純利益6%増の18億円だった。新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、事業環境が厳しい中、フィルム事業は堅調を持続したものの、自動車関連や衣料繊維などへの影響が大きく減収減益となった。
セグメント別に見ると、フィルム・機能マテリアルは増収増益。包装用フィルムは、コロナ禍の巣ごもり特需と、環境意識の高まりにより出荷が堅調だった。工業フィルムは車載用途は不振だったが、大型テレビ向けの液晶偏光子保護フィルムは順調に拡大。工業用接着剤やポリオレフィン用接着性付与材は、国内外ともに自動車用途が伸び悩んだ。
モビリティは減収減益。自動車減産の影響を受け、エアバッグ用基布は米国やタイの販売が大幅に落ち込み、エンジニアリングプラスチックも苦戦した。
生活・環境は減収減益。環境ソリューション、衣料繊維などいずれの事業も振るわなかった。
ライフサイエンスは増収増益。コロナ感染症拡大を受け、遺伝子検査薬原料や研究用試薬が伸長した。
同日に、コロナ禍で見合わせていた2021年3月期の連結業績予想を発表。売上高は前年比3%減の3300億円、営業利益12%減の200億円、経常利益22%減の140億円、純利益49%減の70億円を見込む。