AGC EUV露光用マスクブランクスの供給を大幅増強

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2020年8月17日

 AGCはこのほど、グループ会社であるAGCエレクトロニクスが、EUV露光用フォトマスクブランクスの供給体制を大幅に増強すると発表した。今年10月に建屋拡張を含めた増強工事に着工し、2022年より生産を開始する予定。

 IoTや人工知能(AI)、次世代高速通信(5G)などの本格普及を迎え、半導体チップは計算処理の高速化やデータの大容量化、高集積化を求められている。これに対応するために半導体チップ回路パターンの微細化が必要とされているが、従来の光リソグラフィ技術では限界があり、それに代わる最先端の微細化技術としてEUV露光技術が注目されている。

 AGCは、2003年にEUV露光技術を用いた半導体生産プロセスで用いられる消耗部材であるフォトマスクブランクスの研究開発に着手。自社で保有するガラス材料技術、ガラス加工技術、コーティング技術などを融合し技術開発を進め、2017年にEUVマスクブランクスの生産を開始した。これまでも市場のニーズに応じ必要な投資を実施してきたが、今後の更なる市場の伸長に対応するため、今回供給体制の増強を決定した。

 同社は今後も、「ガラス材料」から「コーティング」までを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーとして、市場成長に合わせた量産体制を構築し、2025年には売上高400億円以上、シェア50%を目指す。