富士フイルム CO2削減目標を引き上げ、国際認定取得

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2020年8月24日

 富士フイルムホールディングスはこのほど、2030年度までの環境目標を改定し、「事業を通じた社会課題の解決」と「事業プロセスにおける環境・社会への配慮」の両面での気候変動対策を加速すると発表した。

 地球温暖化の影響は、パリ協定の目標「産業革命以降の人為的な気温上昇を2℃未満とする」レベルでも甚大との認識が広まる中、CO2排出削減に関わる環境目標を引き上げた。これにより、国際的な環境イニシアチブであるSBTイニシアチブから、パリ協定「2℃目標」達成のための科学的根拠に基づく「WB2℃(2℃を十分に下回る)」認定を取得した。

 環境目標は、①原材料調達から製造・輸送・使用・廃棄に至る同社製品ライフサイクル全体でのCO2排出削減目標を、2013年度比30%から45%へ引き上げ②CO2削減効果の高い同社製品・サービス提供による排出削減貢献の目標を5000万tから9000万tへ引き上げ、そして③環境負荷削減に特に優れる製品やサービスである富士フイルムグループ「Green Value Products」の売上を全社の6割に設定した。

 ③は気候変動対応、資源循環、有害物質などの環境リスク低減、廃棄物削減など独自の環境配慮基準で140製品を認定。

 代表的なものに、「新聞用CTPプレート「SUPERIA ZN‐Ⅱ」」輪転機用の印刷版で、現像工程不要・主原材料アルミニウム再利用の効果で、新聞社1工場あたり年間約390tのCO2削減、「データ保管システム「ディターニティオンサイトアーカイブ」」低使用頻度の大容量アーカイブデータをハードディスクから磁気テープに置き換えて、使用エネルギーを大幅削減、「文書ハンドリングソフト「DocuWorks」」紙と電子文書を大容量クラウドストレージサービス「Working Folder」で一元保管し、印刷枚数や人の移動頻度を減らして排出量を削減、などがある。

 気候変動対応など持続可能な社会の構築を目指す「グリーンリカバリー」が世界的に提唱される中、富士フイルムグループは、「サステナブル・バリュー・プラン2030」を推進し、製品・サービス・技術開発などを通じた新たな価値創出によりポストコロナの社会課題の解決に貢献していく考えだ。