住友化学 合成生物学で次世代事業を加速、米国で新組織設立

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2020年11月17日

 住友化学は16日、米国子会社ベーラント・バイオサイエンス社(イリノイ州:VBC)のバイオラショナルリサーチセンター内に、新組織「シンバイオハブ」を設置したと発表した。合成生物学の革新的技術が数多く創出されている米国内に同分野の技術構築を目的とした拠点を設立することで、次世代事業の創出に向けた取り組みを一層加速させる。

 近年、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーの融合による技術の急速な進歩により、合成生物学の産業利用が大きく進展。こうした中、住友化学は、合成生物学と総合化学メーカーとして長年培ってきた化学技術を融合させることで、化学合成だけでは製造が困難な高機能製品や、高収率かつクリーンで省エネルギーなプロセスを開発し、新事業の創出を目指している。すでに、コナジェン社への出資やザイマージェン社との提携をはじめ、合成生物学分野のスタートアップ企業やアカデミアとの間で様々な取り組みを進め、同分野への研究開発投資を積極的に実施している。

 今回、VBC内に新設するシンバイオハブは、オープンイノベーションはもとより、米欧のイノベーション探索拠点であるコーポレート・ベンチャーリング&イノベーションオフィス(CVI)や、バイオサイエンス研究所、工業化技術研究所などの国内拠点とも連携。同社グループ全体で、合成生物学を利用した基盤技術の早期構築を図る。

 また、生産菌株の開発、スケールアップなどの自社研究にも着手し、バイオラショナル事業や化学品の工業化で培った技術も生かして合成生物学の技術・知見・経験を集積することで、同社グループがもつ化学技術とのシナジーも追求し事業化につなげていく考えだ。