積水化成品工業 生分解性やバイオマス樹脂、ラインアップ拡充

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2021年2月17日

 積水化成品工業は、現中期経営計画において、「持続可能な社会への貢献」を経営の重点課題に掲げ、SDGsに象徴される世界規模での環境課題にアプローチするため、「バイオセルラー」ブランドのラインアップ拡充を進めている。

 同社の「バイオセルラー」は、生分解性またはバイオマス由来のプラスチックスを活用した環境貢献製品群の総称で、既に複数の製品を上市。中でも熱可塑性エラストマービーズ発泡体「エラスティル」ではランニングシューズのミッドソールとして「エラスティル BIO」が、高耐熱軽量発泡体「ST-Eleveat」では自動車部材に「ST-Eleveat BIO」が採用されている。

 さらに「バイオセルラー」の拡充に向けた取り組みの一環として、昨年12月には海洋生分解性バイオプラスチック(MBBP)の開発・普及に産学官連携で取り組む「MBBP開発プラットフォーム」にも参画している。

 同社は今後も、さまざまな企業・組織と共にモノづくりを進めることで、新たな価値創造を目指し、既存製品の進化や新素材の実用化につなげて、事業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指していく。

NEDO バイオものづくりの課題と可能性を公表

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2021年2月5日

循環型社会に向け、化学と各産業間の連携に期待

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、社会的に注目度が高く、菅政権が目標に掲げる2050年の脱炭素社会の実現に向け、バイオ技術やバイオ資源を活用したものづくり(バイオものづくり)による貢献の可能性について調査・分析したレポートを公表した。

NEDO・技術戦略研究センターの水無渉ユニット長。3日の会見で
NEDO・技術戦略研究センターの水無渉ユニット長。3日の会見で

 同日の会見で、NEDO・技術戦略研究センター(TSC)バイオエコノミーユニットの水無渉ユニット長は「バイオものづくりの環境への貢献度に対する理解の状況や、社会実装、普及のための現状と課題についてファクト分析を行い、

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東ソー 周南市で自家発バイオマス燃料使用の協定締結

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2021年1月29日

 東ソーは28日、山口県周南市と同市にある和泉産業との間で、公共施設から発生する剪定樹木を、東ソー南陽事業所の自家発電所用燃料として利用することについて、「周南市公共施設発生樹木のバイオマス燃料製造及び自家発電所燃料使用に関する協定書」を締結したと発表した。今年4月1日から開始される。

(写真左から)東ソー南陽事業所の田代克志所長、藤井律子周南市長、和泉産業の和泉貴信社長。協定締結式にて
(写真左から)東ソー南陽事業所の田代克志所長、藤井律子周南市長、和泉産業の和泉貴信社長。協定締結式にて

 具体的には、同協定に基づき、和泉産業は周南市内の公共施設から発生する剪定樹木を同社の周南バイオマスセンターで破砕・チップ化し、東ソーへの輸送を行う。一方、東ソーは木質バイオマス燃料である同チップを自家発電所で石炭と混焼することにより、CO2量で年間100t前後、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を進めていく。

南陽事業所の自家発電所
南陽事業所の自家発電所

 東ソーは、気候変動問題に関わる課題として、GHG排出量削減への取り組みが事業の中長期的な成長に繋がると考えており、今後も引き続き、エネルギー使用の効率化、GHG排出量の削減、CO2の分離回収・原料化による有効利用に向けた技術開発を推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

富士フイルム バイオ医薬品CDMO事業、米に製造拠点を新設

2021年1月12日

 富士フイルムはこのほど、バイオ医薬品の開発・製造受託の事業成長を一段と加速させるため、米国にバイオ医薬品の大型製造拠点を新設すると発表した。投資規模は2000億円超になる。新拠点は、原薬の大量製造に加えて、拠点内で原薬製造に続く製剤化・包装までを一貫して受託できる「ワンサイト・ワンストップ」の体制を整備。2025年春に、バイオ医薬品CDMO(開発製造受託)の中核会社FDBの拠点として稼働する予定だ。

 バイオ医薬品の製造には、高度な生産技術と設備が必要とされるため、CDMOにプロセス開発や製造を委託するケースが増加している。同社は、FDBの米国(ノースカロライナ州・テキサス州)、英国、デンマークの4拠点で、バイオ医薬品の生産能力増強や高効率・高生産性技術開発の投資を積極的に行ってきた。

 こうした中、今回、世界最大のバイオ医薬品市場である米国のFDB拠点の近郊に大規模投資を行い、バイオ医薬品の大型製造拠点を建設する。新拠点には、FDBの米国内拠点として最大となる2万ℓ動物細胞培養タンクを8基導入。さらに今後、同サイズの培養タンクを最大32基まで拡張できる拠点とし、受注の増加にも対応していく。また、大型の製剤製造ラインや包装ラインを設置。年間3000万本以上の充填が可能な最新鋭の全自動型製剤製造システム、薬液が充填されたシリンジ(注射器)を多品種のオートインジェクターへ組み立て可能な装置、汎用性の高い自動ラベル貼付・梱包設備などを導入し、幅広い顧客ニーズに応えていく。

 同社は、バイオ医薬品市場で大きなシェアを占める米国・欧州で、「ワンサイト・ワンストップ」の受託体制を備えた大型製造拠点を構築し、2024年度にバイオCDMO事業で2000億円の売上を目指す。さらに、今回の設備投資が寄与する2025年度以降も、市場成長を大幅に上回る年率20%の成長率で事業を拡大していく。同社は、今後も高品質な医薬品の安定供給を通じて、医薬品産業のさらなる発展に貢献していく考えだ。

 

 

エア・ウォーター 小規模農家用乾式メタン発酵システム

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2020年12月22日

 エア・ウォーターはこのほど、グループのエア・ウォーター北海道(北海道札幌市)が北土開発(北海道芽室町)、帯広畜産大学と共同で国内初の小規模酪農家向け乾式メタン発酵プラント(バイオガスプラント)を開発したと発表した。乳牛飼養百頭前後の小規模酪農家に適したバイオガスプラントの実用化に取り組む新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成事業「小規模酪農家向けエネルギー自給型乾式メタン発酵システムの開発」の一環。

 小規模酪農家は一般的に乳牛を「つなぎ飼い」し、麦わらなどの長繊維が混合した半固形状ふん尿が排出され、メタン発酵には適さない。現在北海道で稼働する約100基のバイオガスプラントの多くは液状ふん尿を原料とする湿式メタン発酵プラントであり、半固体状ふん尿の処理には高額な大型設備を必要とする。そのためバイオガスプラントの導入は資金力のある大・中規模農家に限られ、約75%を占める小規模農家での導入はハードルが高い。また近年、濃厚飼料の給餌量増加や堆肥化用の水分調整資材の高騰で、家畜のふん尿による完熟堆肥化が困難になり、メタン発酵処理に切り替える動きも背景にある。

 今回開発した「乾式メタン発酵システム」は原料自動投入装置、原料前処理槽、高温乾式メタン発酵槽、固液分離装置、ガス発電機(25kW)、燃料電池から成り、1日の処理能力は6.2t。高温発酵(約50℃)によりメタン発酵効率が30%向上した。現在バイオガス(メタン約58%)の多くをガス発電機に供給し、ほぼ24時間、電気と温水を牛舎に安定供給している。

 余剰のバイオガスは高純度メタンガス(98%以上)に精製し、さらに水素に改質し、燃料電池から牛舎や住宅に電気を供給する。蓄電池を利用したエネルギーの最適化や再配分、長期連続運転による設備の安定性や製造コストの低減などを検証する予定だ。なお、メタン発酵の副産物である消化液や固形残渣は、酪農家の代替肥料や再生敷料として活用する。

 今後、このシステムを小規模酪農家を中心に提案し、系統電力に頼らない自給自足型のエネルギー分散型基地として普及させ、酪農家の営農コストの低減と地産地消型エネルギーの推進、CO2排出量の削減に寄与することを目指す。

富士フイルム 再生医療分野でiPS細胞提供と特許供与を開始

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2020年12月10日

 富士フイルムはこのほど、バイオ医療領域の事業成長を加速させるため再生医療分野で新たな取り組みを展開すると発表した。

 同社米国子会社でiPS細胞の開発・製造・販売でリードするFUJIFILM Cellular Dynamics(FCDI)が、治療用iPS細胞の提供とiPS細胞作製技術に関する特許ライセンス供与を本格化。第1弾として特許ライセンスの全世界での非独占的使用権をLonza Walkersvilleに許諾した。

 FCDIは、エピソーマルベクターや初期化因子を複数導入してiPS細胞を安全かつ効率的に作製する技術や、多様な細胞へと分化誘導する技術を早期に確立。今年3月にcGMP対応の新施設を稼働させ、高品質な治療用iPS細胞の生産体制を構築した。今後、再生医療製品の研究開発を進める企業に対し、治療用iPS細胞の提供と作製技術特許のライセンス供与を幅広く行い、顧客の製品開発の支援と生産プロセス開発・製造受託サービスを本格化させ、iPS細胞による再生医療の産業化を推進する。

 富士フイルムはバイオ医薬品や再生医療製品、それらの研究開発や製造での細胞培養に必要な培地など、バイオ医療領域で成長戦略を進めている。バイオ医薬品の開発・製造受託の設備増強や培地の新工場建設など、積極的な設備投資で高まる需要増に迅速に対応する生産体制を強化。基礎研究から生産プロセス開発まで一貫する「バイオサイエンス&エンジニアリング研究所」を日米に設立し、基盤技術や次世代技術の研究を推進している。バイオテクノロジーやエンジニリアング技術、培地技術などグループの技術を結集し、バイオ医薬品の原薬製造の培養から精製までの一貫生産を実現する連続生産システムを業界で初めて開発した。

 同社は事業を通じて社会課題の解決に積極的に取り組むことで、バイオ医療領域の事業成長を加速させるとともに、新たな産業の創出に貢献していく考えだ。

 

AGC バイオ医薬品のデンマーク拠点の培養能力を倍増

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2020年11月26日

 AGCはこのほど、CDMO事業子会社AGC Biologics社(米国)でのバイオ医薬品CDMOの培養能力増強を決定したと発表した。デンマーク拠点の隣接地を購入し、工場棟とオフィス棟から成る新社屋を建設し、シングルユース仕様の2000リットルの動物細胞培養槽を増設。総投資額は約200億円、稼働開始は2023年の予定だ。

 バイオ医薬品CDMO市場は年間約10%以上の成長を続け、同社の受託件数はそれを上回る。これに対応するため動物細胞を使ったバイオ医薬品CDMOの培養能力を増強し、デンマーク拠点のシングルユース仕様の培養能力は従来の倍以上に拡大。それに合わせた分析・開発設備や人員増にも対応し、延床面積約1万9000㎡の新社屋を建設する。

 AGCグループはバイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業の1つと位置づけ、合成医農薬CDMO、動物細胞と微生物を使ったバイオ医薬品CDMOで積極的な買収・設備投資を行い、事業を拡大させてきた。今年7月には成長著しい遺伝子・細胞治療領域にまでCDMO事業の幅を広げ、2025年の目標売上高1000億円以上を2~3年前倒しで達成する見込み。

 今後も各地域でグローバル統一の高水準の品質・サービスを提供できるよう、各拠点のシナジーを最大限発揮させ、製薬会社、患者そして社会に貢献していく考えだ。

 

住友化学 合成生物学で次世代事業を加速、米国で新組織設立

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2020年11月17日

 住友化学は16日、米国子会社ベーラント・バイオサイエンス社(イリノイ州:VBC)のバイオラショナルリサーチセンター内に、新組織「シンバイオハブ」を設置したと発表した。合成生物学の革新的技術が数多く創出されている米国内に同分野の技術構築を目的とした拠点を設立することで、次世代事業の創出に向けた取り組みを一層加速させる。

 近年、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーの融合による技術の急速な進歩により、合成生物学の産業利用が大きく進展。こうした中、住友化学は、合成生物学と総合化学メーカーとして長年培ってきた化学技術を融合させることで、化学合成だけでは製造が困難な高機能製品や、高収率かつクリーンで省エネルギーなプロセスを開発し、新事業の創出を目指している。すでに、コナジェン社への出資やザイマージェン社との提携をはじめ、合成生物学分野のスタートアップ企業やアカデミアとの間で様々な取り組みを進め、同分野への研究開発投資を積極的に実施している。

 今回、VBC内に新設するシンバイオハブは、オープンイノベーションはもとより、米欧のイノベーション探索拠点であるコーポレート・ベンチャーリング&イノベーションオフィス(CVI)や、バイオサイエンス研究所、工業化技術研究所などの国内拠点とも連携。同社グループ全体で、合成生物学を利用した基盤技術の早期構築を図る。

 また、生産菌株の開発、スケールアップなどの自社研究にも着手し、バイオラショナル事業や化学品の工業化で培った技術も生かして合成生物学の技術・知見・経験を集積することで、同社グループがもつ化学技術とのシナジーも追求し事業化につなげていく考えだ。

 

ENEOS 大型バイオマス発電所の共同事業に向け合意

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2020年11月12日

 ENEOSはこのほど、世界最大級の大型バイオマス発電所について、イーレックス(東京都中央区)と共同で事業化を検討することに合意し、環境アセスメントを開始すると発表した。同発電所の設備出力は30万kWを予定し、国内では最大、世界でも石炭火力など他エネルギー源からの転換を除けば、 最大級のバイオマス発電所となる。

 建設用地はENEOSがもつ新潟サンライズゴルフコース(新潟県聖籠町)の一部を活用する計画で、バイオマス燃料には、海外からの安価かつ安定供給が見込める燃料を検討していく。また、再エネ賦課金という形での国民への負担がない、日本初となるFIT制度から自立したNon‐FITの大型バイオマス発電所の実現を目指す。

 ENEOSは再生可能エネルギー事業を次世代の柱の1つとして位置づけ、メガソーラー(20カ所、約4.8万kW)、風力(2カ所、約0.4万kW)、バイオマス(1カ所、約6.8万kW)を全国で展開し、再エネ事業の拡大に取り組んでいる。バイオマス発電については、今年5月に室蘭バイオマスの商業運転を開始。供給安定性に優れた再エネ発電として、さらなる拡大を目指していく。

 他方、イーレックスは現在4基のバイオマス発電所をもつ国内有数のバイオマス発電事業者。加えて、東南アジアの現地パートナーとPKS(パーム椰子殻)の集荷・製造事業に取り組むなど燃料事業にも力を入れている。

 今後は、両社が培ってきたバイオマス発電の知見を活用して、2023年中の工事着工、2026年度中の運転開始を目指し、共同で事業化検討を行っていく。

 

NEDO バイオジェット燃料普及の研究開発6件を始動

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2020年10月19日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、バイオジェット燃料の普及に向けた市場形成や社会実装のためのサプライチェーン構築とカーボンリサイクルのための原料基盤技術を強化する研究開発に着手すると発表した。事業化スキームや経済性を検証し、バイオジェット燃料の市場形成に向けたサプライチェーン構築を促進する。

 航空業界にとってCO2排出量削減による地球温暖化抑止対策は喫緊の課題だ。バイオマス由来のバイオジェット燃料導入は実現可能性が高く、海外では廃食用油由来のバイオジェット燃料が実用・商用化され、国内でも今年中のバイオジェット燃料の国内定期便デモフライトを予定するなど、事業化の動きが加速している。

 こうした中、NEDOは2017年度から「バイオジェット燃料生産技術開発事業/一貫製造プロセスに関するパイロットスケール試験」を実施しており、2030年ごろの商用化を目標に一貫製造技術の確立を目指した研究開発に着手する。

 実証を通じたサプライチェーンモデルの構築では、製造技術ごとに「油脂原料からの水素化・脱酸素化処理」(ユーグレナ)と「短繊維パルプ由来エタノールの脱水重合」(Biomaterial in Tokyo、三友プラントサービス)の一貫製造技術の確立と、原料調達・製品供給などの事業スキームや経済性を検証する。

 微細藻類基盤技術開発では、特長の異なる大量培養方法「海洋ケイ藻のオープン/クローズ型ハイブリッド培養」(電源開発)、「熱帯気候・屋外環境下での発電所排気ガスを利用した大規模微細藻類培養」(ちとせ研究所)、「微細藻バイオマスのカスケード利用」(ユーグレナ、デンソー、伊藤忠商事、三菱ケミカル)の実証と生産コスト低減や副生物の有効利用にも取り組む。また微細藻類研究拠点の整備と商用化の課題解決・標準化を図る「微細藻類研究拠点および基盤技術の整備・開発」(日本微細藻類技術協会)も採択した。事業期間は2024年度までで、今年度予算は49.5億円。

 同事業を通じてバイオジェット燃料の普及に道筋をつけ、航空分野での温室効果ガスの排出量削減に貢献するとしている。