帝人はこのほど、子会社CSPが持分法適用関連会社としている中国のCSP‐Victallを完全子会社化すると発表した。投資金額は約49億円。
近年、環境負荷低減を目的に自動車のEV化が求められ、近未来のモビリティ像として「CASE」が示されている。自動車産業では、今後予想される様々な変化にいち早く対応し、次世代型自動車に必要な軽量化や多機能化を実現するため、ビジネスモデルの変革が喫緊の課題だ。
こうした課題に対応するため、帝人グループは自動車向け複合成形材料事業を〝ストラテジック・フォーカス〟と位置づけ、マルチマテリアルによる自動車メーカーの部品供給パートナーとなることを目指しており、2017年のCSP買収以来、北米、欧州、アジアの三極をベースとしたグローバルティア1サプライヤーとして、軽量・高強度な自動車向け複合成形材料事業展開を強化している。
中国では、CSPと中国の鉄道向け部品およびモジュールメーカーであるVictallとの合弁であるCSP‐Victallが事業を展開してきたが、今回、帝人グループでの効率的な事業運営を行うとともに、技術の積極的な導入による事業拡大や生産性の向上を図るため、CSP‐Victallの完全子会社化を決定した。今後、CSP‐Victallの事業で需要拡大が想定されるEVバッテリーボックス用途の供給拡大を図るなど、さらなる事業強化を進めていく。