【新年特集】化学産業、新常態をビジネスチャンスに転換

2021年1月6日

カーボンニュートラルへの対応、技術革新が課題

 わが国化学産業は、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、厳しい環境が続いている。中国の経済活動が回復してきたことで、下期に入り需要は持ち直しつつあるものの、本格的な回復は2022年ごろになるとの見方が強まっており、今年も企業の底力が試される1年となりそうだ。

 対面業界を見ると、コロナ禍によって自動車のxEV化や通信業界の「5G」へのシフトが当初の想定よりも加速している。日本メーカーはこれまで技術力で差別化を図ってきたが、中国勢の台頭などにより競争が激化しており、成長戦略の見直しを迫られている。いかに安定収益を確保できる事業ポートフォリオを構築していくかが、今後の大きなテーマとなりそうだ。 

 一方、コロナ禍によって地球環境や社会のサステナビリティへの関心がいっそう高まる中、菅首相が2050年カーボンニュートラル宣言を表明した。今後、グリーンエネルギーへのシフトに加え、CO2を削減・有効利用するための方向性が示されると見られる。化学企業は、各社がもつ技術力によってイノベーションやブレークスルーを起こし、ソリューションプロバイダーとしての役割を果たしていかなければならないだろう。

 今回の「新年特集号」では、先行き不透明感が強まる中、コロナ禍による新常態をいかにビジネスチャンスに転換していくのかを全体のテーマに掲げ、化学業界を代表する首脳の方々に戦略や展望を聞いた。

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◇インタビュー◇

三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏
▽サーキュラーエコノミーを世界的視野で推進、新組織も始動

旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏
▽慣習にとらわれず課題を解決、これからの時代を切り拓く

三井化学代表取締役社長 橋本修氏
▽ICTを第4の柱へと成長を加速、ヘルスケアも事業拡充

積水化学工業代表取締役社長 加藤敬太氏
▽昨年は構造改革が進展、中継目標達成と業容倍増を追求

東ソー代表取締役社長 山本寿宣氏
▽コロナとCO2への対応が課題、研究開発ではMIに注力

昭和電工代表取締役社長 森川宏平氏
▽統合プロセスは順調、化学の力で世界を変える会社を目指す

JSR 代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏
▽コロナ前に後戻りはできない、前に向かって「動く」のみ