いま起きている世の中の変化と、三井化学が果たすべき役割を話そう。新型コロナウイルスと向き合い共生する生活も2年目を迎える。我々を取り巻く環境はグローバルレベルで時々刻々と変化しており、まさに世界は今、歴史的な転換点を迎えている。あらゆる産業でのデジタル化の潮流、ICTの進化、気候変動、プラスチックごみ問題を含めた循環経済への取り組み、そしてコロナ問題を契機とした就業観の変化などだ。
企業が持続的に成長するためには、変わりゆく事業環境に適合する新たな経営の在り方を創造していくことが求められる。当社グループはこうした環境変化に対応すべく、モビリティなどの成長3領域を基軸とした事業ポートフォリオの変革に取り組んでいる。同時に経済価値だけでなく、産業や暮らしの諸課題に最適なソリューションを提供する社会価値の創出を追求している。
現在、2030年の世界を見据えて、当社の目指すべき姿の再定義をしているところだ。入社式に際し、3つのことを皆さんに伝えたい。1つ目は「安全は全てに優先する」ということだ。一人ひとりがこれを心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指してもらいたい。
2つ目は、仕事の目的と意義を考えることだ。個々の仕事から、お客様や社会にもたらす価値や自身の成長にとっての意味づけを見出すことで、自らのモチベーションを高めてほしい。そして、皆さんと会社が共に成長していくことが大切だと考えている。
3つ目は、「挑戦による成功や失敗といった学びは競争力の源泉」だ。学業と異なり、仕事での答えは1つではない。誰でも失敗する。しかし、失敗を恐れず挑戦し、失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしい。その先に必ず、成長した自分と組織が見えてくるはずだ。
今年は2030年長期経営計画始動の年だ。皆さんの柔軟な発想やアイデアは、これからのDX時代を生き抜くために三井化学の成長に欠かせないものとなる。臆することなく自らの考えることは堂々と主張してほしい、優れた洞察力と構想力、そして強い実行力をもてるよう、共に、日々の挑戦と発見を積み重ねていこう。活躍を期待している。