日本板硝子はこのほど、ガラス基板上で高い抗菌・抗ウイルス機能を発揮するコーティング技術の開発に成功したと発表した。
独自のゾル‐ゲル製法により、ガラスと同じシリカ構造の密着性の高い成膜が行え、そのコーティング膜は強固(鉛筆硬度9H)でガラスとほぼ同等の透過率をもつ。摩擦や薬品などへの耐久性が高く頻繁な接触操作やクロスによる拭き掃除ができ、静電容量式タッチパネルなどにも使える。
ガラス表面に塗布された銅含有膜が、空気中の水分や酸素などと反応して活性酸素類(H2O2、OHラジカルなど)を発生し、表面に付着したウイルスのエンベロープ膜の破壊や、脂質、タンパク質、遺伝子物質を分解し、細菌やウイルスを不活性化する。
公的機関による国際規格準拠の評価試験で、99.99%以上のウイルス不活性化効果が確認され、ヒトコロナウイルスや大腸菌への効果も確認された。
銅の作用で、紫外線(自然光)や可視光(蛍光灯)が当たらない暗所でも抗菌・抗ウイルス効果を継続的に発揮する。スマートフォンやタブレットをはじめ、レジ端末、ATM、エレベーター、医療機器、家電などの各種端末画面や操作ボタンといった人が触れる様々な部位に使え、個人用途に限らず病院や介護施設、飲食店など、衛生的環境が求められる公共の場所へ使用することで、安心・安全な環境の実現に貢献する。今後マーケティング活動を進め、来年3月期中に発売開始する考えだ。