セントラル硝子はこのほど、国内建築ガラス事業について収益性に基づいた事業の選択と最適な事業規模での運営を基本方針とした事業収益改善に取り組むと発表した。
人口減少に伴う建築需要の低下と新型コロナウイルス感染症による不透明感から、国内建築ガラス市場の縮小は避けられない状況にある。今年1月のAGCとの国内建築用ガラス事業統合の協議中止を受け、抜本的かつ実効性のある構造改善として、資産の圧縮と効率的活用を積極的に進めて事業収益の改善を目指す。
板ガラスの生産体制は、稼働率の低下が懸念される松阪工場の型板窯と堺製造所のフロート窯を今年度中に休止し、現状の4窯から2窯体制に縮小する。松阪工場のフロート窯と網入磨き板ガラス窯は生産を継続し、フロートガラスを松阪工場に集約して自動車用フロートガラスと併産。型板ガラスは外部調達する。建築加工ガラスも生産性の高い拠点に集約し、生産能力を適正規模にする。なお、休止する2窯の生産に関与している社員の雇用維持に努める。
販売に関しては、電子材料用と産業用フロートガラスの今年度中の中止に加え、今後も不採算取引を是正するとともに、生産規模に合わせた適正な販売拠点数まで縮小する。
なお、事業規模の見直しで減収が見込まれるが、販売面の採算性改善と固定費削減により、来年度の黒字化を見込んでいる。また今後5年間の冷修費の減少と設備更新投資の抑制で、キャッシュフローは改善する計画だ。生産休止の2窯の特別修繕引当金の取り崩しやその他の影響などは別途公表する。なお、来年度以降の計画は、今後策定する中期事業計画で発表する予定だ。