BASFはこのほど、2021年第1四半期(1-3月期)の業績を発表した。売上高は前年同期比16%増の194億ユーロ、特別項目控除前営業利益は42%増の23億ユーロ、EBIT(営業利益)は59%増の23億ユーロ、EBITDAは31%増の32億ユーロだった。
セグメント別に見ると、ケミカル事業は売上高16%増の27億ユーロ、特別項目控除前営業利益6億ユーロで増収増益。石油化学品と中間体事業本部はいずれも、価格が上昇し販売量も伸長した。
マテリアル事業は売上高20%増の34億ユーロ、同営業利益は7億ユーロで増収増益。主に大幅な販売価格上昇と販売量増加による。
インダストリアル・ソリューション事業は、売上高は前年同期並みの21億ユーロ、同営業利益は微減の3億ユーロ。ディスパージョン&ピグメント事業本部は微増・大幅増益となったものの、パフォーマンス・ケミカルズ事業本部の微減・大幅減益を埋められなかった。
サーフェステクノロジー事業は売上高37%増の59億ユーロ、同営業利益は大幅増の4億ユーロと増収増益だった。触媒とコーティングス両事業本部の販売量の大幅増加、貴金属価格上昇に伴う触媒価格の上昇、固定費減少によるもの。
ニュートリション&ケア事業は売上高3%減、利益は大幅に減少した。ケア・ケミカルズとニュートリション&ヘルス両事業本部とも為替のマイナス効果が要因だった。
アグロソリューション事業は売上高1%増の28億ユーロ、同営業利益は前年同期並みの9億ユーロ。全ての地域での販売量と販売価格の上昇と固定費の減少は、為替の大幅なマイナス効果で相殺された。
第1四半期の売上高と利益の推移、世界経済の予想以上の回復、想定を大幅に上回る原材料価格の高騰を踏まえ、統合報告書で発表した業績見通しを、売上高は70億ユーロ増の680~710億ユーロ、特別項目控除前営業利益は8億~9億ユーロ増の50~58億ユーロに上方修正した。なお、CO2排出量の見通しは変更せず、2050万~2150万t。