BASFはこのほど、Umicore社(ベルギー)と多様な正極材とその前駆体を対象とする非独占的特許クロスライセンス契約を締結したと発表した。
NMC(ニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム)、NCA(ニッケル-コバルト-アルミニウム酸リチウム)、NMCA(ニッケル-マンガン-コバルト-アルミニウム酸リチウム)、HE-NCM(リチウムおよびマンガンリッチ高エネルギー正極材)などを含む、欧州、米国、中国、韓国、日本で出願された100件以上の特許ファミリーが対象で、互いの特許はおおむね補完しあう内容だ。正極材は最新のe-モビリティなどの用途に使用されるLIBの性能、安全性の向上とコスト削減に欠かせない材料で、前駆体と正極材の相互作用とこれらの材料開発は、電池性能の最大化にあたって極めて重要だ。
このクロスライセンスにより、化学組成、粒子形状、化学的安定性といった機能に関連する様々な技術の組み合わせが可能になり、電池とその応用製品分野で、より迅速で持続可能かつ革新的な電池材料の開発と、高い性能・品質基準を満たすカスタム仕様のソリューション開発能力がさらに向上する。
両社は、電池メーカーとその顧客に対して透明性を上げ、知的財産権リスクを低減しながら製品開発をさらに加速でき、エネルギー密度、安全性、コストなど、e-モビリティが直面する主要課題に取り組む姿勢を示すものだ、としている。