東亞合成は30日、医療用生体内分解吸収性ポリマーの開発・製造・販売を行うビーエムジー(京都府京都市)へ出資したと発表した。今後は新規医療機器製品の共同開発も視野に、ヘルスケア分野の拡充を図っていく狙いだ。
ビーエムジーは1983年に創業のバイオマテリアルベンチャー。国産初の生体吸収性縫合糸用ポリマーを開発するなど、バイオマテリアル分野のパイオニアとして確かな信頼と実績を築いてきた。長年培ってきた医療用高分子技術を基盤に、新たな医療用接着剤「LYDEX(ライデックス)」を開発。同製品は天然物由来高分子を主成分とし、動物由来成分とヒト血液由来成分を一切含まないため、ウイルス感染リスクがない特長をもつ。また、独自技術による「高い接着性」と「優れた生体内分解吸収性」も兼ね備えており、使いやすく生体に優しい革新的な接着剤として期待されている。
一方、東亞合成は近年、モビリティ、エレクトロニクス関連の材料開発に注力するとともに、ヘルスケア分野についても、従来から販売を行う医療用接着剤「アロンアルフアA『三共』」に加え、数年前から化粧品原料や医療機器材料の新製品開発・拡充を推進している。今回のビーエムジーへの出資を通じて、医療用接着剤 「LYDEX」の開発・治験・普及を支援するとともに、同接着剤を利用した新規医療機器製品の共同開発を推進することで、両社の成長と事業の発展を目指していく考えだ。
東亞合成グループは、オープンイノベーションによる外部有望技術の導入と同社コア技術を融合し、従来の事業領域を超えた新規キーマテリアルを提供する新ビジネスユニットを創出する目的で、今年1月に「新製品開発事業部」を新設した。同社は、今回の提携をこうした新たな取り組みの成果と捉えており、今後も中長期的な事業価値の向上と持続可能な社会の発展への取り組みを推進していく。