ブラスケムはこのほど、接着剤や化粧品、コーティング、コンパウンドなどの製造時に粘度調整剤として使用されるバイマス由来のポリエチレン(PE)ワックスを開発したと発表した。サトウキビを原料に製造したエタノールから作られており、バイオマス由来のPEワックスは世界初。
バイオPEワックスは、化石原料由来の製品と同様の特性・性能を備え、従来の製造工程と比較して80%のエネルギー削減が見込まれるとしている。再生可能化学品・スペシャリティ部門の担当者は「イノベーションと持続可能な開発を組み合わせることで、地球と社会によりよい影響を与えていくために日々活動している。今回の製品は、当社のビジネスバリューチェーンの脱炭素化に向けた取り組みの成果だ」と評価した。
同社は、2011年にバイオポリエチレンの商業生産を開始して以来、CO2排出量を削減する新たな製品を模索する顧客ニーズに応えるため、製品ラインアップにバイオ系エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を加えるなど、「I’m green(アイムグリーン)」と呼ぶバイオベース製品群を拡充してきた。
今回開発したPEワックスにより製品ポートフォリオの革新と拡大を図り、「2050年までにカーボンニュートラルな企業になる」という同社の取り組みを強化していく考えだ。ブラスケムは今年2月、サトウキビエタノール由来のグリーンエチレンの生産能力増強を発表。6100万米ドル(約67億1000万円)を投じ、2022年の第4四半期(10-12月期)を目標に、現在の年産20万tから年産26万tへの拡張を計画する。世界的に高まるバイオ樹脂需要に対応していく。