富士フイルムホールディングスはこのほど、同グループの「DX(デジタルトランスフォーメーション)ビジョン」を新たに策定した。
「わたしたちは、デジタルを活用することで、一人一人が飛躍的に生産性を高め、そこから生み出される優れた製品・サービスを通じて、イノベーティブな顧客の体験の創出と社会課題の解決に貢献し続ける。」とし、提供価値の向上と社会課題の解決に向けた挑戦をコミット。
2014年に「ICT戦略推進プロジェクト」を立ちあげ、2017年にはすべての事業・生産・研究開発・間接部門を統括する「デジタル変革委員会」を組織化し、事業活動や各部門が提供するすべてのサービス・業務を対象に、デジタル化で変革すべき「デジタル変革課題」を最新のICTで解決することを目指してきた。
事業活動では、例えば医療分野に活用できるAI・IoT技術の自社開発を進め、医師の画像診断を支援するAIプラットフォームの提供や、生産効率を大幅に高めたスマート工場での内視鏡スコープの生産などに取り組んできた。2030年度までに、医療AI技術を活用した製品・サービスを世界196カ国すべての国と地域に導入し、医療アクセスの向上という社会課題の解決に貢献する。
サービス・業務では、例えば業務効率化に貢献するドキュメントハンドリング・ソフトウェアの拡販や、契約書の作成・管理を電子化し契約業務の迅速化を図る電子署名ソリューションなどで業務プロセスの変革に貢献し、働く人の生産性向上と創造性発揮を支援する働き方を5000万人に提供していく。
富士フイルムHDは新経営体制の下、DX人材の育成や人材配置の最適化などDX人材が活躍できる環境づくりを推進する「人材DX」の強化や、経営データをワールドワイドで一元管理できるシステムを刷新し意思決定を迅速化して業務効率を高める「業務DX」、ロボティクス・AI技術を幅広い事業の製品・サービスに応用して顧客のDX加速を支援する「製品DX」に取り組み、DX推進の基盤となる情報セキュリティをさらに強化。経営判断のスピードを高め、幅広い分野に革新的な製品・サービスを提供していく考えだ。