信越化学工業の4-6月期 全セグメントが増収増益と好調

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2021年7月28日

 信越化学工業は27日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比21%増の4342億円、営業利益42%増の1288億円、経常利益37%増の1308億円、純利益38%増の957億円と増収増益となった。なお同社は、今年度からセグメントを変更している。

 セグメント別に見ると、生活環境基盤材料事業(塩化ビニル樹脂、カセイソーダ、メタノールなど)は増収増益。塩化ビニルは、世界の強い需要の伸びに支えられて製品価格が上昇した。米国シンテック社で今年2月に起きた大寒波による生産減や鹿島工場での定修を除けば、全拠点でフル操業を維持した。

 電子材料事業(半導体シリコン、希土類磁石、半導体用封止材など)は増収増益。幅広い分野向けに旺盛な需要が続く半導体デバイス用途に、半導体シリコン、フォトレジスト、マスクブランクスなどの製品が高水準な出荷を継続。希土類磁石は、自動車向け、ファクトリーオートメーション、ハードディスクドライブほか全方位で力強く推移した。

 機能材料事業(シリコーン、セルロース誘導体、金属ケイ素、合成フェロモンなど)は増収増益。前年同期に経済活動制限がパーソナルケア需要にもたらした落ち込みは今年に入り解消。車載用での在庫調整も終了し出荷は順調だった。ヘルスケア用製品は引き続き底堅く推移した。こうした需要増に応える一方で、価格修正に着手した。

 加工・商事・技術サービス事業は増収増益。半導体ウエハー容器の出荷は発送・納入用も工程内用も好調で、自動車用入力デバイスの生産・出荷も需要の回復に即応した。

 なお、未定としていた通期業績予想を発表。売上高は前年比14%増の1兆7000億円、営業利益24%増の4850億円、経常利益23%増の5000億円、純利益24%増の3630億円を見込んでいる。