トクヤマの4-6月期 塩ビや半導体関連が堅調で増益に

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2021年7月29日

 トクヤマの2022年3月期第1四半期(4-6月期)連結決算は、売上高が前年同期比4%減の675億円、営業利益13%増の75億円、経常利益18%増の79億円、純利益5%減の49億円となった。今年度から収益認識会計基準を適用したため減収となったが、適用前の比較では増収(12%増)となっている。また事業セグメントについても、6セグメントに変更している。

 セグメント別に見ると、化成品セグメントは増収増益。カセイソーダはコロナ禍の影響により減少していた販売数量は回復基調にあるものの、原燃料価格の上昇で製造コストが増加した。塩化ビニルモノマーは輸出価格が上昇。塩化ビニル樹脂は、原燃料価格上昇の影響を受けたが、価格是正が進んだことで前年並みとなった。

 セメントセグメントは減収減益。出荷は前年同期並みだったが、原燃料価格の上昇で製造コストが増加した。

 電子材料セグメントは増収増益。半導体向け多結晶シリコンは、5Gの導入やリモートワークの増加を背景に販売が堅調だった。ICケミカルは海外向けを中心として販売数量が増加したものの、原料価格上昇の影響を受けた。乾式シリカは、半導体研磨剤用途を中心に販売数量が増加。放熱材は、販売数量は堅調に推移したものの、先進技術事業化センターの研究開発費が増加した。

 ライフサイエンスセグメントは増収増益。プラスチックレンズ関連材料のメガネレンズ用フォトクロミック材料や歯科器材は、コロナ禍の影響で減少していた欧米向けの出荷が復調した。医療診断システムは、臨床検査情報システムおよび検体検査自動化システムの販売が減少した。

 環境事業セグメント(環境関連事業を集約し新設)は増収・営業損失。イオン交換膜、樹脂サッシ、廃石膏ボードリサイクルなどの既存事業は、いずれも前年同期並みとなった。

 なお通期業績予想については、前回の公表値を据え置いている。