ダイセルの4-6月期 各製品の販売増で増収増益

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2021年8月4日

 ダイセルは3日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比34%増の1114億円、営業利益4.5倍の139億円、経常利益3.9倍の152億円、純利益19.3倍の123億円となった。

 セグメント別にみると、メディカル・ヘルスケア事業は増収増益。コスメ・健康食品事業の化粧品原料や健康食品素材、キラル分離事業のキラルカラムは、販売が増加した。

 スマート事業は増収増益。液晶表示向けフィルム用の酢酸セルロースや高機能フィルムなどのディスプレイ事業は、ディスプレイ需要の回復などにより販売数量が増加。電子材料向け溶剤やレジスト材料などのIC/半導体事業は、半導体材料市場の需要が好調に推移し販売数量が増加したことや、販売価格を是正した。

 セイフティ事業は増収増益。自動車エアバッグ用インフレ―タなどのモビリティ事業は、自動車生産台数の回復などにより販売数量が増加した。

 マテリアル事業は増収増益。酢酸や酢酸誘導体は市況が上昇。アセテート・トウは、海外主要顧客での市況回復を見込んだ原料確保により販売数量が微増となった。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、自動車塗料、電子材料用途などの需要が回復した。

 エンジニアリングプラスチック事業は増収増益。POM、PBT、LCPなどポリプラスチックスの事業は、自動車、スマホなどの需要回復により販売数量が大きく増加。ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズの事業は、需要の回復によりコンパウンド樹脂の販売数量が増加した。

 なお同日、上期および通期業績予想の修正を発表。通期業績予想については、売上高4350億円(前回予想比150億円増)、営業利益350億円(同80億円増)、経常利益370億円(同80億円増)、純利益240億円(同20億円増)を見込む。第2四半期以降は半導体不足やコロナ影響など先行き不透明なものの、第1四半期の経営成績、需要や製品市況の見通し、原料前提の見直しなどを踏まえて上方修正した。