東ソーは3日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比29%増の2012億円、営業利益301億円(同311億円増)、経常利益321億円(同326億円増)、純利益217億円(同237億円増)と大幅な増収増益となった。オンラインによる決算会見の中で、米澤啓上席執行役員は「ウレタン原料の市況が想定以上に上昇したことなどにより、第1四半期として営業利益以下の利益項目は過去最高となった」と総括した。
セグメント別にみると、石油化学事業は増収増益。オレフィン製品はナフサなどの原燃料価格および海外製品市況の上昇で交易条件が改善。ポリエチレン樹脂やクロロプレンゴムは、コロナ禍の影響で減少した需要が回復し輸出が増加した。
クロル・アルカリ事業は増収増益。カセイソーダ、VCMおよびPVCは生産量の減少に伴い出荷が減少した。ナフサ価格および海外製品市況の上昇で塩ビ製品は価格が上昇。ウレタン原料はコロナ禍で減少した需要の回復により出荷が増加し、また海外市況の上昇により製品価格が上昇した。セメントは、国内出荷は堅調だったが輸出が減少した。
機能商品事業は増収増益。エチレンアミン、ハイシリカゼオライト、バイオ関連製品の出荷が増加した。ジルコニアおよび石英ガラスは前年並みだった。電解二酸化マンガンは乾電池用途を中心に輸出が増加した。
エンジニアリング事業は増収増益。水処理エンジニアリング事業は電子産業分野において国内大型案件が順調に進捗した。
なお同日、業績予想の修正を発表。第1四半期の状況を踏まえて上期業績予想を上方修正し、通期業績予想にも反映している。通期業績予想については、売上高8200億円(前回予想比200億円増)、営業利益1060億円(同130億円増)、経常利益1090億円(同170億円増)、純利益710億円(同110億円増)を見込む。米澤上席執行役員は、「上期予想は、MDIなど海外市況が高水準で推移していることや、受け払い差の改善などを織り込んだ」と語った。一方、下期については「前提条件が変わってきている」とし、前回発表を据え置いた。