チッソの4-6月期 機能材料や化学品が好調で収益改善

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2021年8月11日

 チッソは6日、2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比12%増の340億円、営業利益13億円(同12億円増)、経常利益19億円(同22億円増)、純損失8千万円(同15億円増)となった。

 セグメント別に見ると、機能材料セグメントは増収。液晶材料は、コロナ禍による巣ごもり需要の継続により、TV用液晶およびPCモニターなどのIT用液晶の販売が好調となったほか、自動車市場の持ち直しにより車載用液晶の出荷も伸長した。シリコン製品は、プリント基板用途を中心に需要が好調に推移した。

 加工品セグメントは増収。繊維製品は、米国向け原綿の出荷は堅調に推移したものの、除菌シート、マスクなどのコロナ対策関連を中心に在庫調整の影響を受け、原綿および不織布の出荷が総じて低調となった。肥料は、コロナ影響により海外向けの出荷が減少したが、国内販売では肥料価格値上げ前の先取り需要により、化成肥料を中心に出荷が好調となった。

 化学品セグメントは増収。オキソアルコールは、原料ナフサ価格の高騰により販売価格が上昇したことや、コロナ禍からの緩やかな経済回復によって中国を中心にアジア需要が旺盛となり、輸出が好調となった。ポリプロピレン(PP)は、主力の自動車関連で、半導体不足の影響を受けたものの、コロナ影響からの持ち直しの動きにより出荷は増加した。

 商事セグメントは減収。主力のPPの販売は、自動車市場の持ち直しにより出荷は好調となったが、収益認識会計基準適用の影響を受けた。

 電力セグメントは減収。その他セグメントは増収となった。

 なお通期業績予想については、ナフサ高や化学品の海外市況高騰など、経営環境の変化や業績動向を踏まえて再度精査するとし、取り下げている。