三菱ガス化学はこのほど、2050年カーボンニュートラル(CN)の目標達成に向けた7つの取り組みの状況を発表した。
①次世代エネルギーとしてのアンモニアでは、基礎化学品事業部門基礎化学品第一事業部内に燃料アンモニア事業推進チームを設置し、国内外他社との協業を含めた燃料アンモニア事業化の検討を加速させ、国内への燃料アンモニア供給の早期実現を目指す。また海外ソースの安定確保に向け、パンチャ・アマラ・ウタマ社(インドネシア)のCO2地下貯留への間接出資に次ぐ調査・検討を進めている。
②環境循環型メタノール構想では、CO2を原料とするメタノール製造について、新潟工場のメタノールパイロット設備で実証試験を開始した。
③新潟エリアを中心とする取り組みでは、石油資源開発と共同でCO2の有効活用検討を始めた。またCCUS(CO2回収・貯留・活用)による「ブルー水素」をメタノール原料とする、水素利活用促進も視野に入れている。
④水素キャリアや燃料としてのメタノールは、独自技術で開発したメタノールから水素を製造するプロセスを販売し、分散型、オンサイトでの水素製造・供給方法として一定の地位を築いた。「環境循環型メタノール構想」と組み合わせ、CN実現と温室効果ガス(GHG)削減に向けた水素製造・供給方法として有効だとしている。
⑤地熱・LNG・バイオマス発電によるCO2排出抑制では、同社出資のLNG発電を行う福島天然ガス発電所の電力を低GHG排出の移行エネルギーとして活用しつつ、再生可能エネルギー事業の拡大を目指し、建設中の安比地熱発電所に加え、新規地熱発電やバイオマス発電などの検討も進めている。
⑥エネルギーとしての水素の実用的利用では、燃料電池(FC)フォークリフトを新潟工場内に順次試験導入。小型の水電解装置で燃料水素を供給するが、再エネ電力の使用も見据えている。
また、⑦社内での取り組みでは、GHG削減ロードマップに従い使用電力の再エネ化検討を進め、4月からは、投資計画に社内炭素価格制度を導入した。