SEMIはこのほど、半導体前工程製造装置(ファブ装置)への投資額が、デジタルトランスフォーメーション(DX)に代表される長期的技術トレンドを推進力として、2021年に900億ドル超、2022年には1000億ドルに接近し、2年連続で過去最高額を更新するという予測を発表した。これは最新のワールド・ファブ・フォーキャスト・レポートに基づいている。ファブ装置投資額が3年連続で成長することは特殊な状況だ。
過去を見ると、通常は1~2年の成長期の後に、1~2年の停滞もしくは後退期が訪れていた。昨年は2019年の落ち込み(マイナス8%成長)から回復し16%成長を達成。その後も旺盛な半導体需要が継続しており、今年は44%成長、来年は8%成長が見込まれている。前回、3年以上の連続成長が見られたのは、「3D NAND」の増産投資が拡大した2016~2018年だった。
来年のファブ装置投資を分野別で見ると、最も活発なのはファウンドリ分野で440億ドルを上回る見込み。2番目のメモリー分野は380億ドルで、DRAM(170億ドル)、NAND(210億ドル)ともに今年から投資が急増する。これ以外では、マイクロ/MPUは約90億ドル、ディスクリート/パワーは30億ドル、アナログは20億ドル、その他は20億ドルの投資が見込まれる。
来年の投資を地域別に見ると、韓国(300億ドル)が最大の投資を行い、これに台湾(260億ドル)、中国(170億ドル弱)、日本(約90億ドル)が続く。欧州・中東(80億ドル)は五位だが、前年比74%と突出した成長率を示している。以下、南北アメリカ(60億ドル以上)、東南アジア(20億ドル)となる見込み。