信越化学工業は14日、カセイソーダの国内向け販売価格について、11月15日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「20円/kg」。
昨今の燃料価格の急騰による電力価格や物流費の上昇に加え、製造設備の修繕および更新費用の増加により、国内カセイソーダ事業の採算が急激に悪化している。
一方、海外では、年初来北米で発生した大寒波、洪水、ハリケーンなどの自然災害や、直近で発生した中国の燃料不足や環境規制に伴う電力抑制の影響を受け、カセイソーダの供給量が急激に落ち込んでいる。この結果、海外市況は急騰し、アジアにおけるスポット価格はこの半年間で「300ドル/t以上」の上げ幅をつけ、国内価格との乖離が鮮明になってきている。
こうした中、同社は、あらゆるコスト低減に努めているものの、自社努力だけでは現状の価格水準で採算を確保することは困難な状況にあることから、今回の値上げを決定した。