ランクセス 天然資源由来の熱可塑性プラ複合素材を開発

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2021年12月1日

ランクセスはこのほど、天然資源のみで作られた熱可塑性プラスチック複合素材を開発した。連続繊維強化熱可塑性プラスチック複合素材「テペックス」シリーズの新製品で、化石資源に頼らない生産プロセスにより、バイオベースの再生可能な原材料を使用している。バイオ由来のポリ乳酸を母材とし、天然の亜麻繊維の生地を組み合わせた複合素材で、大規模生産に適した品質レベルでの生産が可能だ。

亜麻繊維の密度はガラス繊維に比べて大幅に低いため、この複合素材はガラス繊維品に比べて格段に軽量化される。「テペックス」の優れた機械的性能は主に特定方向に配列した連続繊維に基づくが、亜麻繊維を連続繊維強化生地の形で使用することでその特長を発揮し、剛性対重量比は同量のガラス繊維強化素材に匹敵する。

想定荷重に合わせて複合素材コンポーネントを設計することで、高い強度と剛性が確実に得られる。透明なポリ乳酸と亜麻生地の組み合わせによる天然カーボンファイバーのような茶色の外観は、複合素材全体が天然由来であることを強調し、スポーツ用品などで視覚的な魅力を高める。

そのほかにも、自動車の内装部品や電子機器の筐体部品などへの応用が考えられる。また、これはクローズドループの素材サイクルの一部であるため、純粋な熱可塑性システムとして完全にリサイクルすることができる。裁断屑や生産廃棄物を再造粒し、単独または非強化あるいは短繊維強化コンパウンドと混合して、簡単に射出・押出成形ができる。

同社は今後の「テペックス」について、ポリアミド11などの他のバイオベース熱可塑性プラスチックや、他の天然繊維や再生繊維の使用を計画している。